読書感想文「AIファースト・ヘルスケア」③と④

※この記事は本書を読んだ際の私の解釈と感想で、実際の本の表現や文章とは異なる。

個別化医療

なんか前回書いたことと若干反対かもしれないが、AIの一つの利点に、個別化がある。

医療におけるガイドラインなど、一定の指針があることは医療にエビデンスという付加価値をもたらすが、一方でいわゆる外れ値のような人には効果的でない可能性がちょっとだけある。

例えばアメリカ人の統計データを、全て日本人に当てはめることはできない。

少なくとも一瞬で身長と体重の平均値が違いそうなことは想像がつく。

すると少数派の人に不利な医療が展開される可能性がある。

この問題に対して、AIが効果的な可能性がある。

しかし前回述べたように、少数派、つまりデータが少ないということは、AIに組み込みにくいということでもある。

IoT

上記の問題を解決する、というかしつつあるものとしてIoTがある。

IoTはより生活の一部となることで、少ない人数のデータから多くのデータを収集することができる。

一人当たりのデータが濃くなる感じだ。

また、IoTは訓練データの収集だけでなく、モニタリングという意味でもAIに貢献する。

これは医療における”予防”の段階において、AIが活躍できる可能性を秘めている。

DX

昨今流行りのDX。

既存の紙媒体や、音声といった非デジタルデータを、デジタルデータとして変換すること。

様々な情報がデジタルに落とし込まれるということは、プログラムの自動化やAIによる利用をより容易にさせるだろう。

しかし一方で、昨今のDXは(特に医療DXは)デジタル化することが目的になっている感じが否めない。

DXの本来の目的は人間の作業を効率化したり、無駄をなくすことで、人間が行うべきタスクにより注力できるようにすることであると考えている。

医療AIと…

医療AIが具体的に活躍している分野に関して、下記の分野での紹介があった。

具体的に話してもコピペになるので、自分だったらどういうプロダクトを作ろうかな、という妄想を述べる。

予防医学

自分は受動喫煙の程度などを数値化するのは結構いいんじゃないかと思う。

Raspberry piのセンサーなどにも匂いセンサーというものがあったりするが、

これらをウェアラブルデバイスに使うことで、受動喫煙の程度の確認や有害物質の検知アラート

を搭載するというのはどうだろうか。

あとは、COVID−19を機にCOCOAなどの追跡アプリが普及したが、

(そしてその結果が生かされたのかイマイチわからないままフェードアウトしていったが、)

そのような感染状況を登録、追跡するアプリを他の感染症(今で言うとインフルなど)に生かすことも有用なのではないかと思っている。

慢性疾患

慢性疾患というと、やはり生活習慣病の管理(高血圧、糖尿病、高脂血症)が有用だろう。

AIどうのこうの以前に母数が多いので、それだけで介入する価値がある。

さらに、これらは”生活習慣病”と言うくらいだから実生活の中でそのリスクが増減するものである。

食事量、運動量、生活リズム、etc…

全て生活の中で自然にデータが取りやすいものだろう。

すでに多くのデバイスやサービスがこれらの要素に介入しているが、これらの利便性をさらに上げる

例えば、スマホに食事の内容を記入するのではなく、音声で伝え、助言をchatbotに求める。

あるいは弁当のバーコードを読み取ったら食事の内容が記録される(これは自分が大学生くらいの頃にすでにあった気がする。)

などなど。

メンタルヘルス

メンタルヘルスで特に重要だと思うのが、内服管理だろうか。(服薬管理と重複するが)

これはもちろん内服をしているかどうかもそうだが、抗うつ薬、抗精神病薬はそれ自体が眠気などの副作用を生じるものが多く、治療の効果と、副作用の程度をモニターする必要がある。

しかし、受診時に「薬の調子はいかがですか」と聞かれても、

「先週は調子悪かったけど、先々週は調子良かったんだよな」と、

一言では言い表せないことが多い。

そのため、その日その日の本人の情報をもし自動で記録できるデバイスがあり、医師とそれを共有することができればいいと思う。

一つ問題なのが、デバイスが患者本人が入力しなければいけない方式の場合、あまり意味がない点だ。

その場合、内服アドヒアランスが、デバイス入力アドヒアランスに置き換わっただけであり、根本的な解決に至らない。

現時点ではデジタル錠剤などといった、本人の入力が不要のデバイスなども存在しているため、それらを各種センサーと組み合わせれば、問題の解決は不可能ではないかもしれない(その場合本人のプライバシーの問題が生じるかもしれないが)。

遠隔診療

遠隔診療は昨今の医師偏在化や少子化、人口の都市部集中などにより、

もはや”あったほうがいい”ではなく”なければならない”になりつつある。

遠隔医療に特に求められるのは、どれだけ実際の診察と近づけるか、と言うところである。

問診は大きく困らないだろう。

視診も大きくは問題はないが、小児科的にはビデオ越しの情報はちょっと少ないような気がする。

患者の病室に入ってくる様子や患者の全身を見たいことが多々あるからだ。

身体診察はだいぶ難しい。

大人なら口を開けて〜といったら開けてくれるが、幼児未満は極めて困難である。

そこで小児科医の腕の見せ所なところもあるのだが、遠隔だとほとんど通用しない。

聴診や触診も現状は難しい(しかしこの分野の研究をしている人はいるので、いつの日か解決されるだろう)

検査結果、治療(手術含め)に関してはデバイスの普及によりかなり問題は解決されつつある。

やはり最大の壁は身体診察である。

これを乗り越えられれば、遠隔診療はさらに普及していくだろう。

服薬管理

自分がまず初めに思いついたのは一型糖尿病のカーボカウント。

研修医の時にカーボカウントの存在を知って、

「え、これ患者にやらせるの?」

と思った記憶がある。

カーボカウントというのはインスリンを投与する際に食事の炭水化物量から必要な投与量を計算する方法である。

計算自体はそこまで難しくはない。(面倒ではある)

が、計算結果によってインスリンの投与量を自己調節することもあるため、計算ミスで低血糖、ということもなくはない。

なのでこのタスクを自動化することで、安全にインスリン管理ができるのではないかと考えた。

しかし私が考えることなど皆考えることのようで、すでにこんなすごい研究が行われている。

https://carb-life.jp/#research-project

これは、カーボカウントを計算するのはもちろん、食事の写真から炭水化物量を推定してくれるそうです。

まだ研究段階のようですが、いずれ一型糖尿病患者さんが毎日計算に追われる日々は無くなるでしょう。

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